緑色の朝焼け

ぽつぽつと書きます

【チャリで行った】一日目③ 箱根峠ー三島

 午前10時半。10kmもの急こう配の坂を上り終え、一人静かに芦ノ湖を眺める。

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澄み渡る湖面

 雲が流れる。遊覧船がゆっくりと湖面を滑る。湖畔の松が小さく揺れる。人気の観光地とはいえ、都会の喧騒と無縁な、おだやかな時間が流れる。数時間自転車を押して上がった甲斐があった。と思えるくらい。

 ※実は登りがもう少し続くんですが、それはまたあとで

 

でもせっかく箱根に来たからという理由で

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箱根関所資料館を見学。

江戸時代当時の関所を再現した博物館。中は意外と広く、少し上ると芦ノ湖も見渡せます。歴史が好きな人は是非とも見学すべきです。おもしろいから。

 

しばらく湖畔をプラプラした後、朝からろくな飯を食べてないことに気づく。地図を見ると、ここと県境の中間に道の駅箱根峠がある。もう上り坂はこりごりなんだけど半分手押し、半分立ちこぎでたどり着いたのが山小屋のような道の駅。

 

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わかる人にはわかる

 山に来たせいか無性にそばをすすりたくなった、ので天ぷらそばを食べて自転車に戻る。と、隣に止めてたバイクの持ち主らしきおっちゃんから好奇の目で見られていることに気づく。あ、近づいてきた

おっちゃん「兄ちゃん自転車でここまで来たの?」

私「はいそうですけど」

おっちゃん「え?静岡のほうから?」

私「...小田原のほうからですが…」  

おっちゃん「はえー 大変なことするねぇ~」

私「でもバッテリーがついてるので助かりました」

おっちゃん「...じゃあちょっとは楽ちんだったんだ!」

 

おっちゃん、あなた私があんだけ押して上がったのを見てないからわかんないと思うけど...どこが楽ちんじゃ。クソしんどかったですよ。と出かかった台詞は飲み込んで、

 

私「あ。峠のてっぺんってここから遠いですか?」

おっちゃん「ああ!すぐそこ、数百メートルくらいの所だよ」

 

ほんとに?信じていいんですか?数百メートル上ったらその先はずっと下りなんですか?...と聞いたら本当にそうらしい。おっちゃんに別れを告げて、その言葉を信じてひたすらにこぐと...

アレが見えてきた

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標高846m!びっくり。数時間前までは大磯の海岸にいた事を考えれば、相当登ってきたんだよな、と。

 

ここから先はついに長い登りが報われるような長い下り坂が始まる。そして東西にながーーーーい静岡県もうペダルをこがなくても、自転車を「押さなくて」いいんだ...

そしてここから10km以上も、永遠とも思える下り坂が続く。お日様に照らされ、風も心地いい。ぐんぐんと速度は増し、たぶん時速50キロくらい出てる。スリリング。おそらく今まで乗ったどのジェットコースターよりも清々しい。

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富士山がこんなに近くに

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三島の町並みを臨む

 さっきまでは憎んでいた晴天にも今は感謝。やはり高所から見下ろす風景は...良い(写真ではかすんでいますが)

 せっかくの下り坂と富士山の絶景を楽しむために数度小休止をはさみながら

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 坂の麓、三島に到着。ここからはしばらく街中、平坦な道が続くので、たぶん楽に移動できる。はず。

 

(つづく)